フードドライブにはデメリットもある?解消方法ややり方を解説

最近、買い物に行くと「フードドライブ実施中」という文字を見かけませんか?

フードドライブとは、家庭で残っている未開封食品を集めて、地域の福祉施設などに寄付する取り組みのことです。

家庭の食品ロスを減らすこともでき、フードロス対策と貧困対策、両方の解決に貢献できるのです。

「自分にできることがあればしたい。」と思っている人にとって、ハードルが低く参加しやすいですよね。

そんな良いこと尽くしのフードドライブに、デメリットはあるのでしょうか?

実際のところ、フードドライブは集まる食品が偏りがちで、家庭での品質管理が心配というデメリットがあるのです。

フードドライブのデメリットを知っておくと、食品を必要としている人々により一層貢献できます。

それでは、フードドライブについて詳しくご紹介していきます。

目次

フードドライブのデメリットは家庭の持ち寄りならでは

頂き物の食材が余っていて食べきれないから、フードドライブに持って行ってみようかな!

食品を本当に必要としている人々に届けられるのであれば、フードドライブに持って行ってみようと思いますよね。

私は2人暮らしのため、親戚からの贈り物も消費しきれない時があります。

「いつか食べよう。」と放置して賞味期限が切れてしまう前に、一人一人がフードドライブに食品を持って行くことで社会問題解決に貢献できますね。

しかし、そんなフードドライブにも、一般家庭が参加しているという点から生じるデメリットが2つあります。

  • 持ち寄られる食品の偏り
  • 家庭内での品質管理

今からそれぞれのデメリットを詳しく紹介します!

持ち寄られる食品の偏り

家庭内で残る食品は、どうしても偏りがちになります。

家庭内で残る食品で多いのは、お中元やお歳暮、冠婚葬祭での引き出物、災害用の備蓄品などです。

また、集めている企業や団体が食品に条件をつけるため、持ち寄られる食品はもっと絞られることになります。

冷蔵や冷凍の食品は保管コストや人件費が多くかかるため、主に常温で保存できる食品を条件としているところは多いようです。

今のところ寄付先からの需要が高い食品は、米や缶詰、レトルト、カップ麺などとなっています。

条件がつくことにより、企業などから直接寄付される場合と違って、常温加工食品が多くなるのです。

そうなると、実際に福祉施設などに届くのが常温加工食品ばかりになり、届け先の栄養バランス気になります。

いくら食べるものに困っていても、同じものばかりだと飽きてしまいますよね…。

フードドライブに食品を持って行く場合は、条件に合った、なるべく被らなそうな色んな種類の食品を持って行くとデメリットを解消できそうです。

また、フードドライブがもっと一般に普及することで、様々なところから食品を寄付してもらえます。

様々なところから寄付してもらえると、食品の偏りも目立たなくなっていきます。

食品の偏りというデメリットを解消するためには、フードドライブを一般化していくことも大切です。

家庭内での品質管理

企業などで管理される場合と違って、フードドライブに持ち寄られる食品は各家庭に管理が任されています。

温度や湿度、保管場所などが持ち寄られるまでどのように管理されていたかが全く分からないのです。

家庭内で食べるものは、管理も適当になりがちですよね…。

もしも、品質管理に問題があった場合、届け先に大きな迷惑がかかってしまいます。

また、今後フードドライブの条件が厳しくなってしまい、集められる食品が少なくなってしまう可能性もあります。

自分で食べるために保管する場合ももちろんですが、フードドライブに持って行く場合もそれまでの管理方法に注意しましょう。

また、しばらく放置していた食品の場合は、どのように管理されていたかをよく見直してから持って行くようにしましょう。

直射日光に当たっていたり、保存の温度が高すぎていたり、穴が開いていたり…この辺りは特に注意が必要です。

不安な時には持ち寄り先に確認してみると、品質管理によるリスクを避けられます。

ただ要らない食品を持って行くのではなく、その食品を届けられる人々のことまで考えられると良いですね。

フードドライブはまだまだ一般に普及しているとは言い難いですが、それとは逆に食品を必要とする人々は増えているのが現状です。

身近なところから社会問題を解決できるフードドライブにも、デメリットがあります。

しかし、どちらのデメリットも少し意識を変えて、思いやりを持つことで解消していけます。

食品ロス削減と貧困問題解決の両方を目指して、自分にできることをやっていくとより良いフードドライブになっていきますね!

フードドライブの意味を紹介!運転することではない

フードドライブって、車でやっているのかな?

フード「ドライブ」という名前だと、車で食品を集めて回っているように思えますよね。

私は近所で見かけた時に、キッチンカーのことだと思っていました。

しかし、フードドライブの「ドライブ」は「運転する」という意味ではなく「~運動」という意味で使われます。

そのため、余っている食品を寄付する運動(取り組み、活動)という意味なのです。

フードバンクなら聞いたことがあるけど別物なのかな?

フードドライブと似た名前のフードバンクは、企業や農家が参加対象となっています。

それに対してフードドライブは、一般家庭が参加対象です。

フードドライブは1960年代にアメリカから始まった運動で、日本では2000年代から始まりました。

まだまだ日本では浸透していないフードドライブですが、SDGsが注目される最近では様々な企業が取り組みに力を入れるようになりました。

各家庭から持ち寄るという点では、近所の実施している場所に持って行く他、学校や職場で集めて寄付することも可能です。

買い物のついでや、毎日通う学校や職場に持って行ければ自分の負担も少ないため参加しやすいですよね。

誰か一人がやり始めて周りに知ってもらうことで、活動が自然と広まっていきます。

まだまだフードドライブは日本で普及しておらず馴染みがないため、これを機にフードドライブに参加したり、実施してみたりしてください。

フードドライブのやり方を分かりやすく解説!

フードドライブって、どうやってやるんだろう?

フードドライブに食品を持って行く時には、実施場所と食品の条件を確認すればOKです。

反対に、フードドライブを実施する時にはどうすればよいのでしょうか?

学校や職場から集めた食品を福祉施設などに寄付できれば、そこでフードドライブを周知できて、より社会問題解決に向かえますよね。

フードドライブをやり方は、以下の手順です。

フードドライブのやり方
  1. フードドライブを実施する場所・期間・食品の寄付先を決める。
  2. 1で決めた寄付先と話し合いをする。
  3. 2で話し合った寄贈を受ける食品が決定したら、受付で使用するチェックリストを作成。
  4. フードドライブ実施の告知をする。
  5. フードドライブを実施する。
  6. 集めた食品の集計・報告・公表をする。
  7. 回収した食品を寄付先へ渡しに行く。

1.フードドライブを実施する場所・期間・食品の寄付先を決める。

食品の寄付先はフードバンクや地元の子ども食堂、福祉施設などが多くなっています。

各自治体に問い合わせてみると、より必要としている寄付先が見つかりやすいです。

2.1で決めた寄付先と話し合いをする。

寄贈を受ける食品、賞味期限などの条件、実施時期、食品を寄付先に持ち込む日時、引き渡し方法などを寄付先と協議して決めます。

  • 寄贈を受ける食品→寄付先で需要のある食品を確認(冷蔵、冷凍、常温など)
  • 賞味期限などの条件→賞味期限は1~3か月前までが一般的。配布前に切れないよう注意。
  • 引き渡し方法→集めた側が寄付先に届けるのが一般的。

3.2で話し合った寄贈を受ける食品が決定したら、受付で使用するチェックリストを作成。

寄付先と話し合った通りにチェックリストを作成していきましょう。

4.フードドライブ実施の告知をする。

チラシ・ポスターなどでフードドライブ実施の告知をします。

チラシ・ポスターには回収する食品について詳しく書くと、欲しい食品が集まりやすくなりますよ!

常温保存可能か、未開封であるか、賞味期限は何か月先前までOKか、NG食品など…。

また、イラストや写真で食品例が分かるようにしておくと伝わりやすいです。

5.フードドライブを実施する。

準備ができたら、いよいよフードドライブを実施します。

事前に用意するものはこちらです。

  • のぼり旗
  • 食品回収ボックス
  • 受付の机
  • 寄付先と決めたチェックリスト
  • 受付用紙
  • 筆記用具 など

6.集めた食品の集計・報告・公表をする。

回収した食品の数や重量を集計し、結果を内部報告、HPで公表するためなどに活用しましょう。

7.回収した食品を寄付先へ渡しに行く。

寄付先と決めた日時に、回収した食品を渡しに行きます。

複雑そうに見えますが、大きく分けると寄付先と話し合い、食品を回収し、寄付をするという3ステップになります。

フードドライブのやり方が分かれば、あとは実際に行動するだけです!

「何か私にできることをやりたいけど、何をすればいいのか分からない。」と思っているあなたもまずは周りを巻き込んでみましょう!

社会問題解決には、一人一人が自分も社会の一部であると意識するということがとても大切です。

自分一人が動くことで助かる人々がいることを思い出して、フードドライブを実施してみましょう。

フードドライブ実施店舗を見かけた感想

こちらは、私が実際に見たフードドライブを実施している店舗の、のぼり旗です。

しかし、ここは会員制のスポーツジムのため、会員でなければインターホンを押して入る必要があります。

夜になるとジムで働いている方もいないため、食品はなるべく夕方までには持って行かなければなりません。

また、写真ののぼり旗以外、フードドライブの情報は得られなかったため、やや情報不足だなと感じました。

そのため、集めている食品の条件や具体的に欲しい食品が何かなどが分かりません。

検索してみると具体的な情報を得られましたが、ポスターやチラシが無いと分かりづらかったです。

しかし、のぼり旗のおかげでフードドライブを実施していることはすぐに分かりました。

フードドライブを実施していると知ってもらうために、のぼり旗を目立つところに設置するのはとても効果的です。

フードドライブをやろうと思っている場合は、まずは目立つ位置でのアピールと、欲しい食品についての情報を掲載することが大切です。

そうすることにより、掲載を見た人は食品を持ち寄りやすくなり、掲載がなかった場合よりも食品が多く集まります。

フードドライブは一般に普及することも大切ですが、1番の目的は必要としている人々に食品を届け、食品ロスを削減することです。

ただ実施するだけではなく、より多くの食品を集められるように工夫してみましょう!

フードドライブはイトーヨーカドーでも実施している

フードドライブってどこで実施しているんだろう?

日本では2000年代に始まったフードドライブですが、最近は街中で見かける機会も増えてきました。

身近なところでフードドライブをやっていたら、食品を持って行って貢献したいですよね。

全国に126店舗あるイトーヨーカドーでは、2019年度からフードドライブを実施し、実施店舗を順次増やしています。

また、同じグループのそごう・西武では2017年度からフードドライブを実施しています。

グループ全体でフードドライブを行っており、食品を扱う会社として、食品に関する社会問題に向き合う姿勢が素晴らしいですね。

現在イトーヨーカドーの一部店舗では、食品回収ボックスを基本常設しています。

イトーヨーカドーへ買い物に行った時に確認してみると、次回の買い物で食品をフードドライブに持って行けますね!

イトーヨーカドー以外でも、イオンやファミリーマートなど身近でフードドライブを実施している場所は増えてきています。

是非近くの回収ボックスに、対象食品を持って行ってみましょう!

まとめ

  • フードドライブには食品の偏りと品質管理問題のデメリットがある
  • フードドライブのデメリットは持って行く時になるべく食品の種類を多く持って行き、丁寧に品質を確認することで解消できる
  • フードドライブの「ドライブ」は「~運動」という意味
  • フードドライブは手順を踏めば、学校や職場で集めて寄付することができる
  • イトーヨーカドーなどでもフードドライブを実施している
  • 身近なスーパーやコンビニなどでも実施しているところが増えてきている

フードドライブにもデメリットがありますが、参加する私たちが少し意識するだけで解消していけるものでした。

フードドライブが一般的に普及することにより、様々なところから寄付が集まると食品の偏りも減り、食品ロスも大幅に削減できます。

身近なところから社会問題解決を目指して行動していきましょう!

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